自然の中で暮らす喜びを教えてくれる
森から出てこなかった男
ボイジャー
2015.7.1
この本のあらすじ
生命とはなにか、自分とはなにか。
人はその答えを、大自然を学びつくすことから得ようと試みる。
片岡義男の作品の中にはしばしば、北米大陸の自然を相手に文明を最小限に切り詰め、自給自足の生活をおくる人々が現れる。
これもまさしくその系譜につらなる短編だ。ティーンエージャーの頃から、シエラ・ネヴァダの大自然こそ自分が身を置くべき場所だという天啓を得て、14年の歳月を過ごし、その後、アラスカに移動して志を同じくする仲間たちと山荘を作った男がこの小説の主人公だ。
おすすめコメント
30ページほどの短い物語ですが、自然の中で生きていく喜び、そしてそれを分かち合う人がいる幸せを綴った片岡義男の名作短編です。森の中での生活を扱った作品としては、ヘンリー・デヴィッド・ソローの『森の生活』が有名ですが、こちらもとても良いですよ。主人公による「(アラスカに生きる人々は)自然を相手に生きている、したたかにタフな善人だ。」という表現がすごくしっくりきて好きです。
アウトドアライフはカタチから入るもの良し!
HUNT(ハント) (vol.7)
ネコ・パブリッシング
2015.2.28
この本のあらすじ
◎山のクルマ、森の自転車
・ロビンソン・クルーソーの家
・Deus Ex Machinaと波乗り写真家
・築200年、スマトラ構造のヴィンテージハウス
・バリの暮らしと乗り物たち
その他コンテンツ
◇照英さんとHUNTな乗りもの
◇FIESTA!アウトドアパーティの道具と服
◇またまたとって食べる
◇機能重視な春のバッグカタログ
◇VAN & 44 LIFE
◇田渕義雄さん「ガーデンキャビン または森の生活」
◇春のトレンドキーワード
ほか※デジタル版には一部収録されていない記事がございますので、ご了承ください。
おすすめコメント
「HUNT」は往年のアウトドアスタイルをヒントに、 目の肥えた大人達の遊び心に火をつける道具やファッション、ライフスタイルを提案している雑誌です。今号の特集は「山とクルマ」!ランドローバー社のディフェンダーを中心に、山遊びで大活躍するクルマやアウトドアグッズが多数紹介されています。クルマを買うのは少し覚悟がいりますが、イスやテント、クーラーボックスなどお気に入りのグッズを手に入れたらアウトドアライフが何倍も楽しくなるのではないでしょうか。
アウトドアをテーマにした椎名誠による名エッセイ
ハーケンと夏みかん
集英社
1991.3.25
この本のあらすじ
庭の松にしかハーケン(登攀具)を打ったことがない悪友に誘われて岩壁に挑み、みごとズリ落ちた帰り道、ふとみつけた夏みかんに静かに感動する表題作。以来、地球凸凹状況探険家となったシーナがニッポンを歩く。あるときは雪山に天幕を張って酒盛り。またあるときは山のいで湯で温泉正常化を考える。はたまた、カヌーで秘境の沢をくだる。焚火と自然と人間をこよなく愛す、アウトドア・エッセイ。
おすすめコメント
雄大な大自然でなくても、身近な自然の中で遊ぶ楽しさがギュッと詰まった名エッセイです。なんだか懐かしいな、自分も似たようなことがあったなと思って読み進めると、次第にその懐かしさの正体が分かってきます。それは子供の頃に近所の山(森?)を夢中で冒険したときの純粋な楽しさと高揚感でした。本書を読むと、無くしかけた童心を取り戻せると同時に、山の中で仲間たちとワイワイお酒を飲みたくなります!これは大人の特権ですね。
「野遊び三九の訓戒」は必読です!
大人の男のこだわり野遊び術
山と溪谷社
2013.6.21
この本のあらすじ
あの3人組が帰ってきた! 1994年に刊行された同書は、当時話題を呼びましたが、長らく絶版状態でした。 このアウトドア本の傑作を、新たにヤマケイ文庫の一冊として復刻しました。梟(フクロウ)こと本山賢司、土竜(モグラ)こと細田充(故人)、泥鰌(どじょう)こと真木隆という、野遊びに一家言持つアウトドアのプロ中のプロが、どくどくのこだわりをもって、野遊びの極意を語り尽くします。
おすすめコメント
日本のアウトドア黎明期を支えた著者たちによる、含蓄とアイデアに満ちた野遊び指南書です。基本的なことから、野遊びの裏技的なものまで幅広くカバーしているので、アウトドアに興味のある方は一冊持っておくと非常に便利。巻末に収録されている「野遊び三九の訓戒」は、野遊びをするものであれば心に刻んでおきたい戒めが詰まった箴言集で、こちらも大変面白いです!
野外での食事を楽しく美味しく!
エイ出版社のアウトドアムック (山グルメ)
エイ出版社
2014.12.8
この本のあらすじ
せっかくいい景色の山に登るなら、気分よく、おいしいものを食べたいでしょ。手に入りやすく、日持ちもする山向きの食材を中心に、山でも家でも手軽に作れるレシピを揃えました。
おすすめコメント
著者の小雀陣二は、かつてドライフーズが中心で味気なかった山での食事に満足できず、美しい景色を眺めながら美味しいご飯を食べたいと考えました。そして、持ち運びやすい食材選び、持ち運び方法などに工夫を重ねることで考案していった独自の山グルメのレシピを集めたのが本書です。一般の料理本とは違い、調理時間に加えて、使用する水の量や食材の重さなども明記されていて、かゆいところまでしっかりと手が届く丁寧なレシピ本と成っています。掲載されているツナのブルスケッタがとても美味しそうで、山でなくともぜひ食べてみたい!
いかがでしたでしょうか。アウトドアライフを楽しみたくてウズウズしてきませんか。さて次週は「ビジネス書が苦手な方のためのビジネス書特集」をお送りします。どうぞお楽しみに。