「オーガニックフードの母」に学ぶ
美味しい革命 アリス・ウォータースと〈シェ・パニース〉の人びと
早川書房
2013.6.15
この本のあらすじ
素人だけで始めた小さな店が、多くの苦難と挫折を越えて全米No.1レストランの栄光に輝くまで。新鮮な地元の野菜だけを、シンプルに──果敢な行動と生活に根ざした思想で、各界に影響を与える女性シェフの、苦難と栄光の物語。「オーガニックフードの母」と慕われるシェフ、アリス・ウォータースの生活思想と疾風怒濤の半生記。
おすすめコメント
アメリカで最も予約を取るのが難しいと言われる小さなレストラン「シェ・パニース」。そのオーナーであるアリス・ウォータースの半生を綴った伝記がこちらです。彼女のこだわりは地産地消と有機栽培。今ではすっかり定着しつつある考え方ですが、1971年にこう言ったコンセプトでカルフォルニアにお店をオープンした彼女の慧眼には驚かされます。しかし、このようにライフスタイルを一変させるような考え方をコンセプトに掲げたお店が、そう一筋縄でいくはずもなく、多くの苦難と困難に見舞われることになるのですが、彼女の確固たる意志に導かれるように見事に乗り越えていくのです。オーガニックフードやスローフードにあまり興味がない方でも、彼女の生き方に憧れずにはいられないのではないでしょうか。
カントリーライフのための教科書
新装版 カントリー・キッチン
山と溪谷社
2013.9.26
この本のあらすじ
伝説のベストセラー自然派料理本が、30年のときを経て復活。
1984年に刊行され、カントリーライフを提唱した料理本の名著を新装版として再刊。 現代だからこそ読み直したい、自然で奥深い食文化とレシピの提案。
おすすめコメント
まずは自然の摂理を知り、大地を耕して、食材を作るところからはじまる本書。次に乾燥や塩漬け、酢漬けなどの手法を駆使した保存食、ジャムや味噌、醤油、チーズ、バターなどの加工食の作り方と続き、最後にこう言った食材を使ったレシピといった順で紹介されていきます。かなり徹底されたものではありますが、本書は思想としてのオーガニックを学ぶというよりは、オーガニックフードを生活に取り入れようと思った時の具体的で実用的な教科書として活躍してくれると思います。なかには「牛乳を手に入れるためにまず牛を飼う」というなかなか真似するのが難しいものもありますが、大半はすぐに真似できるものばかりなので、本格的なオーガニックフード入門として手元にあると安心の一冊です。
素敵なオーガニックライフ
リトル・フォレスト 1巻
講談社
2004.8.23
この本のあらすじ
スローフードって楽じゃない。手間ひまかけて、汗かいて。だけど、そうやって辿り着いたひとくちには、本当の美味しさが満ちているのです。都会から生まれ故郷の小森に戻り、農業を営むいち子。四季折々の収穫に舌鼓を打ちながら、彼女は自分の生き方を模索する――。当世きっての漫画家が描く、本物のネイチャー・ライフ。
おすすめコメント
オーガニックな暮らしに興味がある方にとって、彼女のように自然の恵みと共に生きる田舎での自給自足の生活は一つの到達点なのではないでしょうか。このような生活を送るうえでの苦労や難しさも本作の中でしっかりと描かれますし、楽しいことばかりではないと理解しつつも、もぎたてのみずみずしいトマトにかぶりついたり、摘んだグミの実を煮詰めてジャムを作ったりと、田舎での地に足のついた新鮮で豊かな食生活への興味がムクムクと膨れ上がってしまいます。美しい映像が魅力の映画版もオススメですよ!
都会でオーガニックフードを楽しむために
Hanako (ハナコ) 2015年 9月10日号 No.1094
マガジンハウス
2015.8.20
この本のあらすじ
ハーブ、デトックスウォーター、キャロットケーキ…いろいろ。
実においしいオーガニック!
今どきの自然派とは?青山・表参道を歩けば、その姿が見えてくる。
飲む健康、ヘルシードリンクブームが止まらない!
デトックスウォーター/コールドプレスジュース/スムージー
お家で毎日気分に合わせて!コールドプレスジュース夏レシピ。
青果ミコト屋の“おいしい”をたどる旅。
体においしいもの図鑑。
1.注目スーパーフード
2.天然甘味料
3.植物性ミルク
4.飲むオイル
5.飲むいろいろ
6.無添加にこだわる調味料
7.小規模生産者のチーズ
8.グッドルッキングなハーブ
9.国産ジャム&バター
10.料理したくなる野菜
大自然の恵みがいっぱい!北海道・後志の食をめぐる旅。
自然のリズムに身を委ねて、オーガニックな宿へ。
おすすめコメント
『リトル・ファレスト』的な自給自足の生活に惹かれつつも、誰もが真似ができるかというとなかなか難しいかもしれません。そこで、都会にいながら気軽にオーガニックフードを生活に取り入れたい方にオススメなのがこちら。有機食材を手軽に手に入れる方法として、東京の各地で開催されているマルシェを紹介していたり、著名人のオーガニック事情を公開してくれたりと、オーガニックフード入門者が知りたい情報がぎゅっと詰まっています。
いかがでしたでしょうか。気持ちとしては『リトル・フォレスト』的なオーガニックライフに憧れつつも、まずは都会でもできる範囲でオーガニックフードを取り入れていきたいと思いました。さて次週は「いま押さえておきたい海外文学」をお送りします。どうぞお楽しみに!