温泉×グルメの威力は絶大
ちゃっかり温泉
KANZEN
2012.12.25
この本のあらすじ
平日の昼間から温泉入ってひとり飯!?
ドラマ化で話題となった『孤独のグルメ』『花のズボラ飯』の原作者、久住昌之氏が提案する「風呂」×「飯」エッセイの第2弾!
温泉につかって体の心まで温まったあと、キューっとビールで一杯飲るもよし。甘いもので小腹を満たすもよし。温泉着く前におやつラーメンを食すもよし。
おすすめコメント
「浅草観音温泉と牛すじの煮込み」「笹塚温泉とじゃがいもの塩ゆで」「深大寺温泉と天盛り蕎麦」といった具合に、ストレートなタイトルが付けられたエッセイが10話収録されています。都内近郊の温泉と、ぜひともそこで食べたい一品が紹介されているのですが、1話あたり20ページ~30ページとそれなりに分量があるので、紹介される温泉の泉質や建物、そこに集う人々のディテールが細かくて読み応えは十分。そしてやはり久住昌之の文章が笑えます。仕事の合間にひょいと抜け出して温泉につかるという贅沢をいつかしてみたいものです。
温泉をキーワードに読み解く文士交友録
ざぶん 文士温泉放蕩録
講談社
2001.12.15
この本のあらすじ
日本の近代文学は湯ぶねの中から生まれた。東に締め切りから逃げてくる先生あれば、西に世を忍び不倫に走る作家あり。温泉は時に彼らを癒し、時に虜にする。夏目漱石、森鴎外から川端康成まで。知られざるエピソードを混じえながら、古き良き時代の温泉とそこに遊ぶ文士たちの交流を描く、異色温泉小説。
おすすめコメント
温泉から日本を代表する文士たちを読み解いた非常にユニークな一冊。実際に伝わっている文士と温泉のエピソードをベースにした異色の温泉小説で、デフォルメされた一癖も二癖もある文士たちがそれぞれの目的で温泉を求めていきます。正直、どこまでが事実でどこからが著者の妄想なのかがはっきりとせず、有名な文士の新たな一面として鵜呑みにするのは少々問題がある気もしますが、小説としては無類に面白いです。実在する温泉がたくさん登場するので、読んでると温泉に行きたくなります!
美しい写真に癒される
Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2016年 1月号
マガジンハウス
2015.12.10
この本のあらすじ
疲れ果てたとき、一区切りついたとき、リフレッシュしたいとき、私たちは温泉に向かいます。大自然に囲まれた露天風呂、地方の名産を盛り込んだ食事、居心地のいいインテリア、心のこもったおもてなし。温泉は心と体と癒し、思う存分くつろげるように隅々までデザインされています。そうです、温泉こそニッポンが誇る「癒し」の総合デザインなのです。というわけで、今こそ癒されたい、日本最高の温泉宿100軒を厳選。
おすすめコメント
「建築家によるデザイン温泉」「温泉飯は日本の文化です」「本当に満喫できる温泉街」など、温泉を独自の切り口で再編集し、温泉の新たな魅力に気づかせてくれる素敵な特集です。写真がとても綺麗なので、眺めているだけでも最高に癒されます。
温泉ガイドとして大活躍
OZmagazine TRIP 『冬こそいきたい、絶景&温泉案内
スターツ出版
2015.11.17
この本のあらすじ
自然と人の営みがつくり出した美しい景色と、体だけでなく心もほぐしてくれる温泉。両方楽しめたら最高! 日本だからできる、そんな欲張り旅に出かけませんか?見たことのない景色、入ったことのない温泉が、まだまだたくさんあります!
おすすめコメント
温泉の最大の魅力はどのようなシチュエーションで湯につかるかにあると言っても過言ではないかもしれません。そういった意味で「絶景」が温泉の最強のパートナーであるのは明白!温泉×絶景の魅力を余すことなく伝えてくれる本書は、この冬温泉に行こうと思っている人すべてにオススメしたい一冊です。
温泉はドラマの生まれるところ
初恋温泉
集英社
2009.5.20
この本のあらすじ
初恋の女性と結婚した男。がむしゃらに働いて成功するが、夫婦で温泉に出かける前日、妻から離婚を切り出される。幸せにするために頑張ってきたのに、なぜ――表題作ほか、不倫を重ねる元同級生や、親に内緒で初めて外泊する高校生カップルなど、温泉を訪れる五組の男女の心情を細やかにすくいあげる。日常を離れた場所で気づく、本当の気持ち。切なく、あたたかく、ほろ苦い恋愛小説集。
おすすめコメント
温泉宿を舞台に繰り広げられる男女の悲喜交々を描いた連作短編集です。温泉という非日常的でありながら、否応なく親密にならざるをえない場所において、男女間で様々なドラマが生まれるのは当然なのかもしれません。親に嘘をついて一泊の温泉旅行に出かけた高校生カップルを描いた「純情温泉」の甘酸っぱさなどは、たまらないものがあります。本作に収録されているのは決して明るい話ばかりではありませんが、素敵なドラマを期待して温泉に行きたくなる一冊です。
いかがでしたか。泊りがけでゆっくり温泉につかるのも良いですが、思い立った時にふらっといける近所の温泉も良いですね。さて次回1月13日の更新(予定)では、音楽の魅力に迫る「音楽のチカラ」をお送りいたします。どうぞお楽しみに!