内山昂輝=原田巧!?
──お互いを見ていて役と似ていると感じるところはありますか?
内山熱意をもって何かに一直線な感じは、彼にもそういうところがあるなと思いますね。
畠中(内山のほうを見て)内山さんは巧です(笑)。
内山ほめられた感じがしない(笑)。監督も最初の説明のとき、「巧は性格が悪い」って言ってたし(笑)。
畠中いや、性格悪いんじゃないんですよ!
内山悪くとられがちってこと?
畠中そう! だから、本当に巧の行動原理とか目的をちゃんと理解してないと勘違いしちゃう。
内山巧は取りつくろわないから。
畠中内山さんも現場で取りつくろわないというか、そういうお芝居をされる方だなと。そこが魅力で、すごく好きなところです。自分もそこに向かっていきたくなりますし、まさに巧だなと感じます。
──望月智充監督は巧に関しては「性格が悪い」とおっしゃったとのことでしたが、豪については何と?
畠中「豪は難しい役だ」という説明がありました。
内山巧は野球中心主義というか、そのためには無駄なものは省いていく。だから、ある意味わかりやすいです。でも、豪は野球一直線な部分もあるけど、仲裁して人間関係を整えていくタイプで、複雑ですよね。体が大きくてガキ大将的だけど、家は病院で育ちのよい雰囲気がある。
畠中結局、豪の行動の目的は巧につながってしまうと思うんです。巧がまわりともめたときに豪がなぜ巧を止めるかっていうと、そうやってチームを乱すとバッテリーが組めなくなるかもしれないという理由からだし、そうやって豪の行動の理由は全部、巧につながっていく。その分、豪はまわりを見るし、考えるヤツで、今まで演じたことがない役柄です。
──役作りはどのようになさったんですか?
内山アフレコが始まる前に監督から「あんまり奇をてらった派手な感じはやらないでほしい。いわゆるアニメらしい感じよりは、自然にしゃべってください」と言われたので、それを念頭に置いています。キャラクターデザインも素朴な感じがあるので、それに馴染むようなセリフになればいいなと思っています。作り込むというよりは普通にしゃべる感じに近いですね。
畠中役作りはしっかりと原作を読んで、豪が何を思って動いているかを自分なりに考えました。それから、方言ですね。
──舞台が岡山なので劇中では岡山弁が使われていますね。
内山『バッテリー』の世界観にとって方言はとても大切な要素です。巧は方言のセリフが一切ないんですけど、巧のお母さん役であり、方言指導も担当なさっている乃神亜衣子さんには、みんなすごくお世話になっています。役によって微妙に言葉づかいを変えるなど、いろいろ工夫してくださっていて。
畠中豪が使う言葉だし、方言は大切にしたいです。あとは、声を作るとかそういうことじゃなくて、作り込みすぎないで、巧との掛け合いで生まれたものを大事にしたいなと思ってます。