小説
ドミソラ
幻冬舎
あらすじ
私は絶対、このままでは、終われない――。十六歳のときに不幸な事件に巻き込まれ、世間から隠れて生きてきた容姿端麗な女・織江。幼少期から織江を崇拝し、すべてを手に入れるために作家デビューを果たしたデブで醜い女・由羽。そして、織江に償うために人生を捧げた、眼病を抱えて失明の危機にある編集者の男・尾崎。過去の因縁に引き寄せられ再会した男女の運命が、断末魔の叫びにも似た不協和音をかき鳴らす――。歪められた人生を取り戻すための、苛烈な復讐劇。その先に、希望を抱いたがゆえの、泥沼の愛憎劇。生きることは、なぜこんなにも愚かしく、狂おしいのか。ページをめくるたびに脳を直撃する圧倒的な展開で、凄絶な葛藤の末に滲み出す女たちの欲望と執念、嫉妬を描き切った、傑作エンターテイメント長篇!