小説
猫を抱いて象と泳ぐ
文藝春秋
あらすじ
【著者・小川洋子インタビュー公開中!!】上下の唇がぴったりくっついた状態で生まれた無口な少年は、あるとき廃バスに住む太った男“マスター”と出会う。マスターにチェスを教わった少年は、たちまちチェスにのめり込み、その才能を開花させ、美しいチェスを指すようになる。だが、大きくなることに恐怖心を抱き、チェス盤の下でしか実力を発揮できない彼は「盤下の詩人」と呼ばれ、やがて“リトル・アリョーヒン”という自動チェス人形と出会い、自らからくり人形の中に入ってチェスを指す。その奇跡のような芸術的な棋譜は人々の間で話題となるが…。