読んでほしいこの本

2015/9/16 written by BOOK TRUCK

みんなが気になる「お金」の話

好きか嫌いかは置いておいて、僕らが一生付き合っていかなければいけない「お金」。どうせ付き合っていかなくてはいけないのなら、「お金」に振り回されずにうまく付き合っていきたいものですね。と、いうことで今週は「お金」の本質を理解する助けになる本を6冊ご紹介します。「お金」の悩みを抱えている方、子供への「お金」の教育で迷っている方、どうぞチラリとご覧になってみてください!

「お金」の基本を教えてくれる教科書

「世界標準」のお金の教養講座

泉正人

KADOKAWA / 角川学芸出版

2014.11.15

この本のあらすじ

「お金のことを考えることは人生(自分のキャリア)に向き合うこと」をコンセプトに、「信用」「価値と価格」「両面思考」という3つを軸に読者自身の将来に渡り通用するお金との付き合い方を伝える1冊。

おすすめコメント

多くの人が「お金」に関するまともな教育を受けぬまま社会に出ることに危機感を感じ、日本唯一の総合マネースクール「ファイナンシャルアカデミー」を創立した泉正人。マネー教育の第一人者であるこの方は、現代に暮らす僕らが「お金」について勉強する上で外せない人物のひとりですね。高校での特別授業をまとめた本書は、平易な文章に多くのイラストが添えられていて、現代人に必要なお金の総合的で基本的な知識、つまり「お金の教養」をシンプルにわかりやすく教えてくれる良書です。

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「お金が全てじゃない!」と思っている方へ

お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ

糸井重里、邱永漢

PHP研究所

2011.4.14

この本のあらすじ

お金は大事。お金は欲しい。お金が好き・・・・・・。でも、お金は魔物。そんな魔物のパワーに振りまわされそうで、怖くて、お金から目をそらしてきました。いまこそお金を正面から見てみよう。お金について考えてみよう。はじめてお金と向き合った糸井重里が、お金の神様から聞いた、リアルでロマンチックなお金の話。神様が素手でつかんできた人生には、生きるヒント、楽しみや面白さ、誰もが聞きたいことがいっぱいです。「いま、ぼくは、あぶなっかしくて、ちっぽけな旅の途中で、金と動機だけは、なくてはならぬということを、やっと分かったらしいのである。旅に出る朝に、邱永漢さんという先達に、目の前の景色がどういうものであるのか、親切に教えていただいたのは、ほんとうにありがたいことだった。」お金にしがみついてしまう人も、お金に嫌われている人も、これからたくさんのお金と付き合う人も、大人も子どもも、必読の書。

おすすめコメント

タイトルからして耳が痛いですね。お金について特別な知識のない庶民(といっていいのかは微妙なところですが…)の代表・糸井重里と、「お金の神様」と呼ばれる経済評論家の邱永漢との対談集です。(僕自身がそうなのですが)「お金が全てじゃない!」という甘美な言葉を盾に、お金と真剣に向き合うことを避けてきた方にこそ、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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暴走する「お金」の正体

エンデの遺言「根源からお金を問うこと」

河邑厚徳、グループ現代

NHK出版

2000.2.1

この本のあらすじ

『モモ』『はてしない物語』などで知られるファンタジー作家ミヒャエル・エンデのラストメッセージに導かれながら、実体経済や生活現場から乖離し暴走しはじめている「お金」を根源から問い直す旅に出かけた。忘れられた思想家シルビオ・ゲゼルなどの「老化するお金」の考え方や、欧米に広がる地域通貨の試みの数々をレポートする。

おすすめコメント

たくさんのファンタジーの名作を残しているミヒャエル・エンデ。一見すると子供向けと思われがちな彼の作品ですが、実は多くの作品に「貨幣経済への問題提起」という非常に大人っぽいテーマが忍ばせてあります。「お金」というシステムの本質を鋭く見抜いていたエンデは、本書の中で「個人の価値観から世界像まで,経済活動と結びつかないものはない。問題の根源はお金にある」と提起し、多くの事例や寓話を取り上げて、貨幣経済の仕組みと問題点を分かりやすく説明してくれます。現代の発展しきった貨幣経済社会に窮屈さや危うさを感じている方にオススメしたい名著です。

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「お金」を通じて学ぶ現代史

お金で世界が見えてくる!

池上彰

筑摩書房

2014.6.4

この本のあらすじ

お金はどう使われているか? 世界の経済はどう動くのか? お金と世界情勢のつながりとは? 日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカ、仮想通貨ビットコインまで、世界のお金を徹底解説。ドルの秘密、ユーロの本質、円と社会の関わりなど、お金を見れば、世界の動きは一目でわかる! いまの世界を理解するために必要なエッセンスが、この一冊に。

おすすめコメント

様々な国のお金(紙幣)にまつわるエピソードが面白く、堅苦しい勉強が苦手な方にもオススメです。例えば南アフリカの紙幣に関するエピソード。各国が自国を代表する人物の肖像画を紙幣に印刷するなか、かつて南アフリカではサイやゾウなどの人気の動物を印刷していたそうです。その意外な理由については実際に本書でご確認いただくとして、「お金」をテーマにしつつも、池上先生の著書らしくしっかり現代史や世界情勢を見渡せる見事な作りになっています。

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ワクワクするお金の未来像

WIRED(ワイアード) (Vol.16)

コンデナスト・ジャパン

2015.5.11

この本のあらすじ

◆特集 お金の未来(と、かわりゆく世界)MONEY,CODE & ME
-天才ティアゴ・オルソンが発明した「未来へのカード」
-Future Consumption Designデザインオフィスが考えた新しい「消費」のシナリオ
-Money Flows,And So Does Everything池田純一:「縁」のリヴァースエンジニアリング
-Money Changes Everythingぼくらのお金の未来図身体認証/人工知能/ローカルエコノミー/国家
-IoM: Internet of Money「お金のインターネット」と暗号通貨の新世界
-Who’s The Man?専門メディアが選んだ、ビットコインな男たち10人
-Blockchain ReactionFBIがブロックチェーンで押収したもの

おすすめコメント

デジタルネットワーク全盛の時代、お金のあり方やお金との関わり方も急速な変化を遂げています。今号の特集にはビットコインに代表されるような暗号通貨(仮想通貨)、人工知能を活用した投資の未来など、「もうこんなところまで進化しているの!?」という驚きと「こんな未来が来たら楽しいなあ」というワクワクが詰まっており、ページをめくるたびに胸が高鳴ります。毎号毎号鋭い切れ味で僕らに刺激的な未来図を見せてくれる素敵な雑誌ですね。

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きれいごと一切なしのカネの話

この世でいちばん大事な「カネ」の話

西原理恵子

KADOKAWA / 角川書店

2012.6.25

この本のあらすじ

「生まれて初めて触ったお金には、魚のウロコや血がついていたのを覚えている」――お金の無い地獄を味わった子どもの頃。お金を稼げば「自由」を手に入れられることを知った駆け出し時代。やがて待ち受ける「ギャンブル」という名の地獄。「お金」という存在と闘い続けて、やがて見えてきたものとは……。「お金」と「働く事」の真実が分かる珠玉の人生論。

おすすめコメント

<貧乏>がどのように人を追い詰め、<裕福>がいかに人を狂わすかということを身をもって経験した著者だからこそ書ける、非常に説得力のあるお金の話。全体的にちょっと重ためのテーマですが、悲壮感は全くなく、お金のことをちゃんと勉強してうまく付き合っていこうという著者のポジティブな姿勢が好ましいです。特に<貧しさの連鎖>についての話は、連鎖の中にいる人も、外にいる人もぜひ一度読んでみてほしい内容でした。本書は若い読者に学校では教えてくれないリアルな知恵を授ける「よりみちパン!セ」シリーズとして出版されているので、中高生にも大変おすすめの一冊です。

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いかがでしたか。「お金」はちゃんと理解すればそれほど怖いものではありません。よく知りもしないのに、無闇に遠ざけたり、乱暴に扱ったりする方がよっぽど怖いなと思いました。さて次週は「本から読み解く<五輪エンブレム問題>」をお送りします。どうぞお楽しみに!

BOOK TRUCK

2012年3月オープン。BOOK TRUCKは公園や駅前、野外イベントなどの行く先々に合わせて、その都度品揃えや形態が変わるフレキシブルな移動式本屋として、新刊書、古書、洋書、リトルプレス、雑貨などを販売。

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