偉大なスーパースターのもう一つの顔に迫る
MICHAEL JACKSON, INC. マイケル・ジャクソン帝国の栄光と転落、そして復活へ
CCCメディアハウス
2014/6/19
この本のあらすじ
本書では彼の家族や友人、マネージャー、弁護士、他のミュージシャン、業界関係者らの声をふんだんに紹介しながら、伝説のミュージシャンとしてだけでない、ひとりの偉人としてマイケル・ジャクソンを再評価する。
おすすめコメント
マイケル・ジャクソンは、晩年のスキャンダルのイメージが先行してしまい、その偉大すぎる功績をよく知らない方もいるかもしれませんが、間違いなく“スーパースター”という表現が最もふさわしい人物のひとりでしょう。彼は伝説のエンターテイナーであると同時に、死後なお巨額の富を生み出し続ける巨大ビジネスを立ち上げた才覚溢れる実業家でもありました。前者の功績に目を向けたマイケル本は多数出版されていますが、後者に注目した本はそう多くありません。マイケルはいかに商品「マイケル・ジャクソン」を売り出したか!?とても刺激的な一冊です。
歴史上もっとも破天荒なスターの自伝
真相
ダイヤモンド社
2014/7/17
この本のあらすじ
少年院で天才トレーナーに見出され、史上最年少ヘビー級チャンピオンへ。その後無敵を誇るも数々のトラブルを巻き起こしついには刑務所入り。金も名誉も失った男の元に幼い娘の死という悲報が。タイソンはこの悲劇をきっかけに真人間への再生を決意する。伝説のアスリートが人生の真実を語り尽くした感動の自伝!
おすすめコメント
読み物としての単純な面白さでいえば、数あるスターの自伝のなかでもトップクラス!“破天荒”という言葉は彼のためにあるのじゃないかと思う放蕩ぶりで、人類史上類を見ない規格外のスケールの栄光と没落は、良質なジェットコースタームービーを見ているようでページを捲る手が止まりません。これだけ破天荒な彼が、ボクシングには勉強熱心で(タイソンの恩師、カス・ダマトの死後はほとんど練習をしなかったそうですが)、偉人やかつてのチャンピオンの自伝なども読み漁る読書家であったというから面白いですね。作中、タイソンがレーニンの言葉を噛み締める場面はとてもチャーミングです。
国民に愛された球界一の大スター
長嶋茂雄 最後の日。1974.10.14
文藝春秋
2014/10/25
この本のあらすじ
昭和49年10月14日、「我が巨人軍は永久に不滅です」の名セリフとともに現役引退したミスタープロ野球・長嶋茂雄。伝説となったあのフレーズはどのように生まれたのか、長嶋本人は何を考えていたのか。本人を含め、当時の関係者に徹底的に取材、「長嶋茂雄引退の日」の真実がいま明かされる。
おすすめコメント
2013年に松井秀喜とともに国民栄誉賞を受賞したことも記憶に新しい長嶋茂雄。子どもたちはもちろん、大の大人たちをもこぞって虜にしてしまう彼の魅力はどこにあるのでしょうか。本書は35年以上の歴史があるスポーツ雑誌『スポーツグラフィック Number』での連載企画をまとめたものです。今ではすっかり「サッカー日本代表」特集が当雑誌の目玉企画として定着しましたが、創刊当時はそれが「長嶋茂雄」であったといえば、当時を知らぬ読者にもどれほどの人気があったかわかっていただけるはず!
レディー・ガガとはいったい何なのか?
レディー・ガガのすべて
SBクリエイティブ
2010/12/6
この本のあらすじ
イタリア系、カトリックの家庭で両親に溺愛されて育った「大スターになることを夢見るお嬢様」は、いかにして現在の「レディー・ガガ」になったのか。友人やスタッフなど、すぐそばで彼女を見てきた人々の言葉を通じて、レディー・ガガが誕生するまでの物語、そして、これまでメディアに明かされてこなかった彼女の素顔を明かす。
おすすめコメント
日本においては、その奇抜なファッションや過激なパフォーマンスがあまりに強烈で、彼女の思想や真意まで十分に理解されているとは言いづらい現在進行形の大スター、レディー・ガガ。彼女の生い立ちを丁寧になぞることで、一見奇矯な言動の裏にひそむ、社会的、政治的なメッセージの鋭さに迫る一冊です。レディー・ガガが現代社会における劇薬であるのは間違いありませんが、ゴシップ誌が垂れ流すパブリックイメージだけで好き嫌いを判断してしまうのはもったいない!少しでも彼女に興味のある方は是非一読いただくことをお勧めします。
YAZAWAという生き方に憧れる
成りあがり
ぴあ
この本のあらすじ
広島から夜汽車に乗って上京した少年。ポケットにはアルバイトで貯めた5万円しかなかったが、胸には熱く燃える大きな固まりがあった。「おれは音楽をやる、星(スター)になる!」。その少年はいま、願い通り星になった。星の中の星、スーパースターに。だがここにあるのは、うつろな星のささやきではない。この一冊はそのまま矢沢永吉の歌なのだ。
おすすめコメント
「人生というのは、失うものを増やしていくゲームなんだ」、「自分のプライドも自分の財産でしょ。そうでしょ?」、「俺はいいけどYAZAWAが何て言うかな?」などユーモアがあって、強くて優しい名言の数々。若いころは単にロックでかっこいいと思っていただけですが、年を重ねれば重ねるほどにYAZAWAの真の魅力がわかってきました。実は本書、取材構成が糸井重里だったり、写真が(村上春樹との共作でもおなじみ)稲越功一だったりとかなりの豪華布陣で作られた本。昔のベストセラーだと思わずに、若い方にも是非読んでいただきたい一冊です。
神話的偶像「山口百恵」に肉薄する力作
山口百恵 赤と青とイミテイション・ゴールドと
朝日新聞出版
2012/5/30
この本のあらすじ
無数のアイドルが生まれては消えゆくなか、なぜ私たちは、彼女だけは忘れられないのか――。芸能界デビューから40年。膨大な文献と資料から、本人と関係者の発言を徹底収集。「伝統」と「革命」を同時に達成した、歌謡史上の奇跡「山口百恵」とその時代を活写した画期的評伝!
おすすめコメント
21歳にして「私のわがまま、許してくれてありがとう。幸せになります」という言葉を残し、スッパリと芸能界を引退した山口百恵。その潔さから神話的な偶像へと化した「山口百恵」というスターの姿を、本人と関係者の証言から多面的に浮き彫りにした力作です。またアイドル論、神話論としても非常に読み応えがあり、同じく中川右介の『松田聖子と中森明菜』と併せて読むと、70年代から80年代にかけての日本の歌謡史、アイドル史を一望できておすすめです。
いかがでしたか。こんな現実離れしたマンガのようなスーパースターたちが実在するのだから、世界はすごく刺激的で面白いですね。今回の僕のイチオシはマイク・タイソンの自伝『真相』。ボクシング好きはもちろん、ボクシングにあまり興味のない方も十分に楽しめるぶっ飛んだ面白さで、一気に読了してしまいました。おすすめです!