監督は『エルフェンリート』、『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』、『君と僕。』など幅広いジャンルの作品を手がける神戸守。シリーズ構成・脚本には大野敏哉、脚本には渡辺雄介、雨宮まみと、実写作品や小説などアニメ以外のジャンルでも活躍している面々が参加。脚本を読んだ原作者の森博嗣も「『四季』の内容も一部取り入れ、丁寧にストーリィが描かれています。また、アニメ独自の設定もあって、面白くなりそう。動いている絵を見たい、と思いました。楽しみにしています」と期待のコメントを寄せている。
その他のスタッフとしては、キャラクター原案を『ソラニン』や『おやすみプンプン』などの漫画家・浅野いにおが担当したことも話題を呼んでいる。
制作は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や『宇宙兄弟』、『心が叫びたがってるんだ。』などなど数々の優れた作品を世に送り出し、ファンからの信頼も厚いA-1 Pictures。

声優陣にも注目すべき面々が名前を連ねていて、主要キャラである犀川創平、西之園萌絵、真賀田四季は、それぞれ加瀬康之、種﨑敦美、木戸衣吹が演じる。
加瀬はアニメ、洋画吹替えと幅広く活躍し、『アイアンマン』のJ.A.R.V.I.S.役などでおなじみ。種﨑はアニメを中心に活躍し、本作と同じノイタミナ作品では『残響のテロル』でヒロインの三島リサを好演した。木戸は17歳にして、すでに数々の人気アニメに出演している逸材だ。 人気と実力を兼ね備えた彼ら声優陣が、キャラクターにどのように生命を吹き込むのか注目してほしい。

さまざまな面から注目を集める今回のアニメ化だが、その大きな特徴のひとつは、『すべてがFになる』だけでなく「四季シリーズ」の内容も織り交ぜられる点にある。
『四季　春』『四季　夏』『四季　秋』『四季　冬』という4冊で構成される「四季シリーズ」は、真賀田四季の過去を含めた知られざるエピソードをつづったものである。
真賀田四季は、『すべてがFになる』から始まる「S&Mシリーズ」の他の作品や、森博嗣の別シリーズである「Vシリーズ」「Gシリーズ」「百年シリーズ」にも関わってくる、森博嗣作品における最重要人物とも言える存在。
物語の重要な鍵を握り、原作においても高い人気を誇った真賀田四季に焦点を当てた「四季シリーズ」の内容も取り入れることで、真賀田四季のキャラクターがより深く掘り下げられることが期待できる。神に近い天才で、善悪を超越した存在であり、内面を理解することが難しい真賀田四季だが、彼女の人間的な部分も含めた一面も見られることになるのではないだろうか。
『すべてがFになる』だけでも魅力的なストーリーだが、「四季シリーズ」の要素が加わることで、さらに深みが与えられると考えていいだろう。

この記事が掲載された時点でアニメの放送はすでにスタートしているが、未見の人でもまだまだ追いつける。本特集をチェックした上で、ぜひアニメを楽しみ、そしてさらに深く作品世界を味わうために原作小説にも触れていただきたい！

神に近い天才が隔離された孤島で惨劇が起きる…

STORY

真の意味で“天才”という称号にふさわしい才能を持つプログラマの真賀田四季（まがた・しき）。彼女は14歳のときに発生した事件により、妃真加島（ひまかじま）という孤島に建てられた私立研究所の隔離された一画で、外界と一切接触しない状態で15年間も生活を送っていた。

そんな四季はある人物と面会する。その人物は国立那古野大学の1年生の西之園萌絵（にしのその・もえ）。萌絵は名門である西之園家のコネを使って、亡くなった父と交流したこともある四季と面会したのだ。四季は「数字の中で7だけが孤独なのよ」という謎めいた言葉を萌絵に告げる。

大学に戻った萌絵は、四季に一目会いたいと語る准教授の犀川創平（さいかわ・そうへい）にゼミ旅行の行き先として、四季のいる妃真加島を提案。

妃真加島に着いた犀川と萌絵は研究所を訪れるが、そこで、奇妙かつ陰惨な事件に遭遇する。 誰も出入りすることができないはずの四季の部屋から、ウエディングドレスを身につけ、しかも両手両足を切断された女性の死体が出てきたのだ……。