小説
ナイルパーチの女子会
文藝春秋
あらすじ
「心がえぐられすぎてつらい」
第二十八回山本周五郎賞&第三回高校生直木賞を受賞!
友情とは何かを描いた問題作。
商社で働く志村栄利子は愛読していた主婦ブロガーの丸尾翔子と出会い意気投合。
だが他人との距離感をうまくつかめない彼女をやがて翔子は拒否。
執着する栄利子は悩みを相談した同僚の男と寝たことが婚約者の派遣女子・高杉真織にばれ、とんでもない約束をさせられてしまう。
一方、翔子も実家に問題を抱え――。
「本作『ナイルパーチの女子会』は、柚木麻子さんがデビュー以来追い求めてきた主題の一つの到達点であり、その後の柚木さんが展開する文学への結節点でもある。」(重松清「解説」より)
おすすめコメント
女の感情の屈折ほど恐ろしいものはないかもしれない――。第28回山本周五郎賞、第3回高校生直木賞を受賞した『ナイルパーチの女子会』は、『伊藤くん A to E』や『本屋さんのダイアナ』など、女性の鋭い心理描写が人気の作家・柚木麻子さんの作品。その内容は一気読み必至です。でも怖い…。「人との繋がりって面倒だな」とか「人との距離感を上手く取れないな」と思っている方は、結構グサグサ心をえぐられるんです。登場人物の栄利子や翔子の問題、価値観の相違、立場による衝突は、物語の中だけではなく、少なからず自分の中にあるものなのかも…と気付かされますね。