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離婚する中年夫婦とその一人娘が、ひょんなことから「岡田」と名乗る若い男とドライブに行くことに。男の素性がつかめないまま起こった出来事とは…（表題作）ほか、全5篇で構成される裏稼業コンビ「溝口」と「岡田」の物語。

『ゴールデンスランバー』や『モダンタイムス』など、著作が映画化されることも多い人気作家・伊坂幸太郎の最新作。各篇にさりげなく散りばめられた伏線と、その回収の心地良さは、さすが伊坂作品、はずれ無し。息をもつかせぬスピーディなドラマ展開というよりは、どこか暢気で楽天的な空気感。まさに表題どおり「残り全部バケーション」な気分になれる一冊です。「レバーをドライブに入れておけば、自然に前に進むから」。至言。 (K)