小説
脱・限界集落株式会社
小学館
あらすじ
多岐川優が過疎高齢化に悩む故郷を、村ごと株式会社化することで救ってから四年の歳月が経った。止村は、麓にある幕悦町の国道沿いに完成したショッピングモールとも業務提携するほど安定的に発展していっている。
そんな中、かつて栄えていた駅前商店街は、シャッター通りになって久しかったが、コミュニティ・カフェの開店や、東京からやってきた若者たちで、にわかに活況を呈していた。しかし、モールの成功に気をよくした優のかつての盟友・佐藤の主導で、幕悦町の駅前商店街の開発計画が持ち上がる。コミュニティ・カフェを運営する又従兄弟を手伝っている優の妻・美穂は、商店街の保存に奮闘するが、再開発派の切り崩しにあい、孤立していく。
開発か、現状維持か?日本のそこかしこで起こっている問題に切り込む、地域活性エンタテインメント!信州、東北で大ヒット、シリーズ待望の続編です。
おすすめコメント
NHKで連続ドラマ放送中の『限界集落株式会社』の続編にあたる作品です。「限界集落」とは、過疎化により住民の半数以上が65歳以上の高齢者になった地域のこと。前作ではIT企業を辞めた主人公が、なんとなくの思いつきで訪れた祖父の実家・止村(とどめむら)の窮地を、奇想天外な方法で救いましたが、今回の問題は「シャッター商店街」。あくまで本作は小説、エンタテインメントですが、ここを入門として実際の社会問題に関心を向けてみるのもよいかもしれません。