小説
穢れた手
東京創元社
あらすじ
収賄容疑で逮捕された同期の刑事・高坂が処分保留のまま釈放された。無実だ、親友の桐谷は確信していた。高坂と私の間には一点の疑念もない。長い時間を共に過ごし、きつい経験も共有してきた。この世が亡びる時が来ても、あいつに対する信頼だけは揺るがない。逮捕時点で解雇が決まってしまっていた親友の名誉を回復すべく、ひとり捜査を開始する桐谷。しかし関係者が殺され、事態は思いもかけない展開を見せる。刑事たちの熱い友情と警察組織の深部にひそむ卑劣な力。そして、男たちの手は……。堂場瞬一が組織の闇を見事に描ききった警察小説の逸品。